イデオロギーに抗する
世の中は本当にままならない。春の気配が始まった途端、もう夏の到来である。地球温暖化は凄まじい勢いである。ゆき過ぎた人為的な営みがブーメランとして我々にのしかかっているのである。これに科学的手法を駆使した資本主義という経済体制が加速させているのである。東京出生の著者は、長野県農業大学校の教授として土壌学を専門としていて、今回の著作は、三部作の最後を締めくくるものである。要するに、慣行農法に抗する有機農業の勧めである。1960年代後半、日本の農業は緑の革命の影響を受けて、旧来の農法を捨てて肥料の多投、農薬の大量投与などによる環境破壊と農村の共同体を破壊したのである。都市の繁栄と共に、若者は都会を目指し、地方は疲弊して「崩壊集落」と「地方自治体の消滅」を招来させたのである。人の弱みや悩みに付け込んで、健康食品や医療不安を煽ぐ保険商品がCMを席巻し、結果として、コロナワクチン接種と同様に、とどめの無い健康悪化と経済格差である。成長神話に駆られた都市イデオロギーに人々は侵されているのである。
何が原因・理由なのか、を人々に考えさせる暇もないほどのグローバル化イデオロギーである。著名人・知識人ですら例外ではないのである。止まることを知らないともいえるのではないか。ウクライナやイスラエル問題でも、軍需産業の思惑とアメリカ帝国主義の狙いを「自由」と「民主主義」の名のもとに糊塗している。アメリカはあらゆる戦争と紛争に一枚噛んでいるのである。なぜ世界に戦争がなくならないのかという人々の疑問と思考に答えるどころか、加担しているのが現状である。アメリカは建国以来一貫として戦争国家であることは教科書では教えてくれない。バイデンもトランプも、コ〇・コーラとペ〇シコーラの違いに過ぎない。教科書の歴史的記述は、正史イデオロギーに満ちている。真正阿呆と阿呆の化かし合いと言えるだろう。原発政策も外部化して推進され、地球と人々を汚染させているのである。費用対効果(コストパフォーマンス)という透徹したイデオロギーは欺瞞である。体制内的イデオロギーは遍満しているのである。
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