インターネット文明の理非
テクノロジーベース、トラフィック、オーバースペック、デジタル・インフラストラクチャー、ステイクホルダー、電力グリッド、オープンソース・インテリジェンス、ルートサーバー、プラットフォーム、ベンダー、ソースコード、バックドア、リソース、コモディティ、ストレージ、プロトタイプ、ユビキタス、ギーク、ガバレッジ、アーキテクチャー、レコメンドエンジン、リッチコンテンツ、アクセシビリティ、エグジット、エコシステム、レコメンデーション、レイヤー、クラシフィケーション、セキュリティクリアランス、プロトコル、ディフェネストレーション、システム・インテグレーション、キャリアパス、コンソーシアム、ソリューション、コンステレーション、スタンドアローン、エスクロー、アライアンス、アブユース、...。
インターネット文明には周回遅れの自分には、上記の横文字を理解するのは困難である。だからこの新書の内容とその予見には詳しくはない。著者は「日本のインターネットの父」とも称されているらしいし、実際第一人者であると思われる。息子の情報科目教科書(『社会と情報』日本文教出版2015年版)の監修者にもなっていたり、2021年に発足したデジタル庁の顧問を担っている。その著書の中でも、日本のインターネット環境を先導してきた自負を所々で開陳している。「インターネットは・・・人間の創造性と夢と課題の解決するための挑戦のプラットフォーム」(p76)となり、実際、社会のライフライン、インフラとなりつつある。
しかしながら、こうした科学万能主義とその行く末を安易に称揚することはできない。人は、便利だから、金儲けができるからといって、生きている訳ではないのである。金融資本とインターネット全盛の時代であるが、ことあればシステムダウンするし、フィッシング詐欺が横行し、産業の荒廃などアメリカ(と日本)の衰退を招来させているのである。さらに、戦争とジェノサイドに利用され、人間改造や宇宙開発に応用されて人類絶滅を予感されるものになっている。強権支配と監視社会となって世界を混乱させてしまう危険性が過大となっているのである。
ちなみに私用では、ネット検索の利用が大半であり、人類史全体からすれば、ごく最近の、主観的でまだら模様の情報だけでなく、悪意のある情報が氾濫している(インターネット肥溜め説)。また、ターゲティング広告が普及して、その広告が煩わしいことに加えて、個人情報が剽窃・収集されているので、ネット購入は全くしない。確かに科学技術は人類に便宜を与えてくれるが、人々に犠牲を強いて駆り立てる科学技術信仰は間違っているのである。
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