旅行・地域

2017年7月31日 (月)

昭和っ子の本

33633868 『昭和っ子の朝焼け』の「昭和っ子」とは、昭和(20年代後半~)30年代の子供のことであり、この民俗学的な著述は、その時代に生きた子供達の生態をいきいきと書き取ったものである。筆者がその「あとがき」で記されているように、史誌や研究書など無数にあるのだが、「生活者本人が自らの実体験を広範かつ具体的に記した」ものは殆どない。自分史の作成がひと頃流行ったのであるが、ほぼ自慢話ばかりで民俗学的資料としては無意味なものが多い。そして、「わずか六、七十年前の近過去がどんどん分からなくなっている」(p317)のである。歴史から学ぶというが、現代人はほとんど歴史から学ぶことが不得手なのであり、学ばない。思考することなく、リア充から逃亡し、実体験から学ぶ健全な価値観を形成することなく、ネットでストレスを発散し、個人情報がダダ洩れにも関わらずにネット世界の餌食になっている青少年に対し、若い親たちも影響されて理不尽な大人たちが増えつつある。この辺の分析は少しくなされていないという意味で、いかに無駄な本が上梓されているのか知れない。この著作は、詳しく知られていないその時代を見事に描写されていて書店の店頭で発見してすぐに購入してしまった次第である。その時代に生きた子供たちの感情も明らかにしていて、待望の書だったのである。

 暑い日中は避けて読書に勤しみ、夕方に草刈りをして、ミニ白菜を播種した一日であった。ミニ白菜は、娃々菜といい、例の信州山峡採取場の種で、道の駅信州新町で購入したものである。14粒入りで100円でしたので、試行栽培としては適宜でした。この道の駅は、新鮮野菜・山菜と西山地方の美味しい豆や蕎麦がおススメです。訪問した時は燕の子育て期にあたり、庇では、親が子への餌やりや見張りなど甲斐甲斐しい働きぶりで飛び交っていました。とても田舎らしいのんびりとした道の駅で、余分なものがなく、リラックスできます。蕎麦目当ての人も多いと思います。

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2016年8月15日 (月)

夏休みの小旅行、大町へ

2u7zqdbdjybwtfm1471229318 息子と黒部ダムまで日帰り旅行をしました。元々、ゴールデンウィークからの企画でしたが、嫁さんは所用があって同行せず、今様の息子が、汚いヨレヨレの親父(笑)と同伴するとは思われなかったのですが、どういうわけか、二つ返事がありまして、二人で早朝に出立いたしました。夜更かしした息子は車中では寝ているだけ。扇沢駅前は満車ということで、途中の有料駐車場からバスに乗り換える時に、やっと目が覚めるという有様です。扇沢駅では、切符売り場前はトロリーバス乗換待ちの観光・登山客で列をなしていました。行列のお隣にいた年配のご婦人は、宮崎からの登山客で、仲間と立山連峰の縦走に挑戦するとのことでした。その割には軽装だな、と思いましたが、この好天気だからなのでしょうか。バス時間待合では、小便と風景を眺めて過ごすのが慣例でして、快晴の青空とカラッとした空気を満喫するのみです。黒部ダム駅ですし詰めにされた状態から解放されて降り立つと、ヒヤッとする程の冷気に包まれ、いよいよ220段の地中階段を登頂します。見ての通りです。これだけのことです。これで二人で往復5140円は高いです。眺望と冷涼な空気を感じるだけでです。関西電力はぼろ儲けですなあ(笑)。堰堤を往復し、レストハウスにて黒部ダムカレー(実のところ、カレーはあまり好きではありませんが)を胃袋に掻き込んで、直ぐに帰途に着きました。
2016081207320000 下界に降りると、ムワッとする熱気を感じて、何かとてもつまらない旅になりました。仕方がないので、行きの道中と同じように、大町市の田園風景をよく観察しました。水田の周囲は補植されずに空間が(ほかの水田では2~3mほどもあるものも)。あれは何の意味があるのか。カメムシ対策か、保水温のためか、とあれこれと考えました。そして次に向かったのは、大町市立山岳博物館です。お目当ての雷鳥は見ることができませんでしたが、雷鳥だけでなく展示物を、丁寧に系統的に、かつ視覚的に剥製や模型などで説明書きされていて、とても勉強になります。入館料400円は安いです。受付の人も好感を持ちました。残念だったのは、併設の動植物園が古びていて貧相だったことでした。動植物が少し可哀想に感じました。

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