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2020年6月

2020年6月17日 (水)

民衆の革命戦略

2020061415090000 14日の午前に田植えが終了する。梅雨模様なのだが、昨日から晴れ上がり、植え直しをしなければならない。米作は、米という漢字に象徴されるように、八十八手の手間が必要である。昨年の稲株を畦に寄せて、苗に太陽光を供給する作業や水抜けがない様に畦塗りを補強する作業など、することが多い。一人で行っている以上は、作業の段取りを頭の中で予定しているのである。
 ところで、数日前の信濃毎日新聞で、世論調査の結果でアベ内閣の支持率が2割弱だったことが話題になったのだが、これは至当であろう。全国紙(中央紙)の4割支持という結果は都市ならではの話なのである。未だに自民支持層は地方(田舎)だと勘違いしている人がいるが、むしろ都市の方が多いのである。この事実は議員数とマスメディアの報道を見れば、一目瞭然である(テレビ番組の劣化は甚だしい)。時代の逆行を表示しているのである。
 そのことを指摘する寄稿が、先日信毎でも掲載されていたので瞠目してみた。新型コロナ禍をめぐるアタリの論考である(ちなみに、この寄稿は、ロイター=共同の配信なので、信毎独自のものではない。ETV特集でも町山氏の放送批評はとても参考になる)。そこでは、「命を守る経済」のために、六つの重大な転換が起こると予言されている。J.アタリは、文明批評家としていくつか的中した思想家としても著名である。内容は、既にこのブログ記事の中で何度も指摘したことである(例えば、これなど)。「①距離ーリモートワークの可能性と都市在住の不必要性②生き方-欲望の経済から命を守る経済へ③普遍的利益ー利潤を目的とした資本主義社会から利他社会へ④透明性-情報の独占から民主主義の手段としての情報の透明性へ⑤未来に備えるー将来の脅威を回避するために命を守る経済へ⑥世界の一体性ー市場のグローバル化から道理や正義の民主的グローバル化へ」である。アタリは人々が少しずつ気付きつつあり、やがて民主的に一般化すれば、大いなる展望が開けることを予想しているのである。しかしながら、このような方向転換において、どのような主体と方法が採用されるべきかが明瞭にされていないが、一部暗示はしている。「私たちはあらゆる戦略を用いてあらかじめ敵を知り、戦いを優位に進められよう」と。このことはマスメディアを媒介する人々(都市在住の一部インテリ・知識人・芸人)に期待するべきではなく、民衆の中から個々の思慮の連帯から始めるべきであると了解している。

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2020年6月12日 (金)

尊大な奴隷

2020061117100000  昨日の大雨で県下は入梅となった。調整しながら田に用水をかける。周囲はすっかり田植えを終えていて、静かな里山風景となっている。その季節となれば農民は、例年のルーティンの作業をする。怠け者の自分は、遅ればせながら追随しているばかりである。
 実体経済と異なる株式市場は急落している様である。コロナ禍というショックドクトリンを利用して、新自由主義市場経済は、国家統制と規制の緩和と称して「自由に」市場に委ねることを一応の方針としているのだが、一歩進んで、強欲にも国家財政を大胆に蚕食しているのである。経産省と電2の癒着はその証左である。アメリカの黒人差別抗議運動は、トランプ大統領を直撃して拡大している。死亡したフロイド氏の姪は、「『アメリカを再び偉大に』と言う人がいるが、いつアメリカは偉大だったのか」と訴えている。日米を比較すれば、日本人は尊大な奴隷であると言わねばならない。これほどのアベ政権の失政がありながら倒壊しないのが不思議である。
 近代の終焉と言われて久しいが、近代の人間中心主義は、現代においては、情報通信技術の発達(IT革命)と生命科学の進展によって、社会「変革」と人間改造は飛躍的に増進しているのである。ここにはパラドックスがある。資産家だけが人間であって、それ以外の者を非人間的に管理と統制を強いる体制である。これはM.フーコーが示唆したことである。また、新自由主義思想は何ら民主主義を必要とせず、グローバル化に伴って国民国家を侵食してゆくのである。アメリカの病は解決せずに、抗議運動は人種差別や経済格差問題などで繰り返されて、「アメリカの終焉」(J.アタリ)となるのかも知れない。これは中国も例外ではない。帝国主義国家とスターリン主義国家との対立の中で、世界は多様化しつつ崩壊してゆくのかも知れないが、その先には、非対称な監視された一元的世界システムが現出するのだろうか。それとも、人々が強盗たちを非対称的に強制して共同性を志向してゆくのだろうか。この10年の、2030年代までの民衆の課題と言わねばならない。
 

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