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2020年3月

2020年3月29日 (日)

一体、何なのか。

34016954 新型コロナウィルスが猖獗を極めている休日。昨夜からの降雪で桜の蕾は重苦しく垂れ下がっている。小事で一度外出する以外は家に閉じこもっている。民俗学の関心から『北信濃漫遊事典』を読み継いだり、「ポツンと一軒家」を視聴して楽しんだりしている。呑気なもので、まだまだ農事は先のことである。「ポツンと」の番組は、プロデュースする局側の勘違いもあるが、林や所、それにゲストが冗言でなく、吉本やジャニーズなどの芸no人が登場しないのが清々しい。今や、都会ではなく地方への関心が時代のトレンドなのである。実際、首都圏の大学は「地方大学」(local)化している。都会では物価が尋常ではなく、上京組の教育費が膨大であるばかりでなく、情報伝達が瞬時になったこの時代に、首都圏で学生生活をするメリットがないのである。それに、地方出身の自分の経験によれば、首都圏の学生は要領がいいばかりで仲間で固まっていたのを想起されるのである。秀才と目されている人々が集結する東京において、行政のトップがあの程度であり、何の解決もなく混乱している惨状である。
 地方の新聞の裏面を眺めて、東京キー局のテレビ欄の番組を拾うと、「DASH海岸に異変暖冬でウナギ巨大化!東京湾の深海300㍍で深海ドローンが撮った「これ大発見!」生物が…巨大サメが大暴れ」「令和発表の記者会見”新元号を秘匿せよ”菅長官がテレビ証言㊙リハにスタジオ騒然」「緊急生放送!!宮本浩次森高こぶしクリーピー田島貴男モロハ眉村ほか」「松本浜田に㊙批判連発」「ゴシップ豊年祭ノブが山里に愛の告白中居自宅スクープ写真㊙事件で結婚生活危機」「コックリさんで覚醒!?吉本2度所属の真相!?愛車は50年もの国産車」「100日ワニが炎上騒動デフフットサルとは?」などなど、呆れてものが言えないというか、勝手にやればとも思うし、どうかしていると思うのみである。そして都会に資本が集積しているために、程度の知れたあの人々は、マルクスによれば、一般的等価物としてのカネに執着して、それを価値として最大限に思い込む物神性に取り込まれているのである。

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2020年3月12日 (木)

危機と対応

34012276  自宅待機、イベント自粛、株価暴落、消費の減衰、政治家・官僚の無能など、コロナウィルスの蔓延によってWHOはパンデミックを宣言した。日本政府は、唯々オリンピック開催という国家威信にかけて、あるいは政権維持のためにアドホックな政策を強行している。危機は寧ろアベ政権なのである。
 新聞には、「列島は疫病神に取りつかれ」という川柳が投稿されているが(「信毎柳壇」2/12)、宮本常一はまた、「日本では役人というものは多くの場合、民衆の味方ではなく敵であった」(著作集31、p111)と開陳している。役人のみならず現時の支配階級もまた元々そんなものである。だから周章狼狽する必要はない。寧ろ、これを奇貨として民衆は新しい創見と社会を企図するのみである。唯々諾々としている場合ではないのである。
 2月上旬の上京で感じたことは、都市住民の危機感の無さであった。中国・武漢であれほどの騒擾が見聞されたにも拘らず、対岸の火事として安穏としていたのである。それは、恐懼して誰一人外出していない風景であり、多くの市民が死亡する程の流行であったのである。愚策と流言飛語に惑わされ、想像力も枯渇して、そのことを指摘した者は一人もいなかったのである(カミュ『ペスト』参照)。露呈したのは何か、を思念することが必要である。テレビでは、バライティー番組で笑いこけ、報道番組は芸人がMCとなって無意味な放言を連発している。ドラマ番組でも空疎な都会ドラマが居並んで番宣が頻繁である。そして、緊急事態を改憲に利用しようと目論む権力者とこれに対する無力な野党である(大政翼賛会化)。ここまで来ているのである。この虚実の二重性の故に人々は動揺しているのだが、ある意味では、必然と言わなければならないのである。その問題はあらゆる分野、業態、職種などに遍在しているのであるが、このことを摘出する人は一人もいなかったのである。そして、このような蛸壺社会の有り様に対してどう対峙するのかを誰一人論じてもいないが、それは知れたことなのである。

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