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2019年4月

2019年4月19日 (金)

止まらない地方崩壊

M000051_k00003250_1024768 『農山村は消滅しない』という著書の問題性は、実は、農山村の実情調査の不足だけではなく、都市の問題なのであるということを忘れていることに尽きるのである。農山村や地方の窮状は都市の「繁栄」の結果であり、むしろ都市は地方の犠牲の上に成立しているのである。したがって、根本的には地方分権が推進されるべきなのであるが、自公政権では先祖返りしており、中央政治がいつまでも跋扈しているのである。だから、結論は明確なのであり、これを実行するか否かである。現・長野県知事は、典型的な役人・官僚であり、何も期待できないのであるが、今度の地方選挙では、県議会の自民会派が単独過半数となり、愈々長野県の未来は暗澹たるものである。以前、経歴も面目も自民党支持者と思われる人物と会話する機会があったが、きちんと反論すると、押し黙って無視する姿に呆れたことがある。仲間内では懇ろなのであろうが、公開の議論では逃避する醜悪に怒りを覚えたものである。
 結婚記念日に、夫婦で「上田城千本桜まつり」に出向いた。上田城は、徳川の大軍を二度も撃退したお城であり、大坂の陣では先陣で徳川方を震撼させた真田家のお城である。信州の地侍や国人は、中央の武士や国司を排撃してきた歴史があるが、そのこと(武士の時代)には余り関心がないのであるが、一度はその概容を見てみるかなと思い、連れ合いを誘ったのである。それには腹ごしらえ(人気のグルメである。笑)である。信州そばとして著名な「刀屋」へと足を向けたのである。初めての試食だったが、腰が強く確かにうまい。蕎麦を食らう、というのが的確である。江戸時代、信州人は江戸へと冬季に出稼ぎに出かけたのだが、「初雪やこれから江戸に食いに出る」という川柳にあるように、江戸っ子は信濃者を大飯を喰う田舎者の典型と罵ったのである。県外ナンバーの車が多く、刀屋の待ち時間に、東京から来た六人組の高齢者の集団と並んだが、向こうから声をかけてきた。「草笛」とここを足繁く通い詰めているようで、久しぶりに東京の話題を耳するが、全く関心がない。東京なんてどうでもよい。田舎蕎麦がやはりいいのである。盛りもいいのだが、天ぷらが旨い。クルミだれでも味わうべきである。上田城であるが、桜が散り始めであり、観光客も大勢いた。燕も飛来して歓迎してくれていた。櫓門にも登上して崖下を見学し、市立博物館にも拝観したのである。連れ合いはどうにも興味がなく足早であったが、しばし想像逞しくその時代を感得できたのである。

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