危機は足もとにある
黙っていても農産物は育つ。収穫ひと月前の田んぼの風景である。今年は曇天と雨天が多く、実りに期待は持てない。稲は集団で育つので多少の不稔には目を瞑ることができるのだが、野菜はそうは行かない。今年は野菜の育成に力を注いだので、それでも何とか人参、大根、枝豆、川中島サシミウリ、メロン、キャベツ、絹さやなど結実してくれた。自家消費には余りにも多く、活用には嫁さんもお手上げの苦言である。産直出荷も視野に入れる時期(とき)なのかも知れない。現在は半農半勤なので時間の余裕もなく疲弊気味であるが、家庭の経済力維持ゆえに、退職が待ち遠しい。第二次朝鮮戦争の危機が凄まじいことになっている。帝国主義各国は斬首作戦を公言している。何としても北朝鮮を崩壊させたいようである。北朝鮮はロケット戦略からミサイル・核戦略に進展し、その先軍主義は人民の犠牲の上に成り立っている。まるで戦前の日本を彷彿させる事態である。太平洋戦争中に、日本は仁科を始めとする原爆製造開発を企図していたことは余り知られていないが、もし製造に成功していたら、日本は間違いなく世界最初の原爆投下国になったであろう。これが逆に被爆国になったのだから敗戦の主因になったのであり、戦後、米国の核戦略の一環として日本の核武装を許さなかったのである。そして、今の北朝鮮である。力と力の対決としての朝鮮危機である。両者ともパワーポリティックスを理念としているのである。日本政府は、表面的には非核三原則を標榜している一方、中曽根や安倍や小池など一貫して核武装を志向しており、日本の核保有を公言しているのである。実際、日本は国連の核軍縮条約の会議開催に反対し、条約交渉に不参加を決め込み、世界を失望させたのである。軍事力(軍事費)の増強は世界経済の重荷になっており、国際関係論の学者を含めて、異常な21世紀になっているのが現実である。このような帝国主義列強の北朝鮮制裁と軍事挑発は何らの説得力がない。むしろ彼らは北朝鮮の暴発を狙っているように思われる。もっとも少ない犠牲者を目指して金一族の首領スターリン主義国家を転覆させるのが最終的な狙いであろう。そうなると、国境を接する中国とロシアは黙ってはいまい。なんだか、アジア・太平洋戦争に敗北した大日本帝国の様相に酷似してきたように匹夫には思われるのである。そして、この間の列国の最弱の環(標的)が、Jアラートまで使って軍事挑発と経済制裁を繰り返すアベ首領による日本であることは言を待たない。民衆の闘いが最も求められる時期である。危機は足もとにあるのである。
(注)「北朝鮮」の正式名称は、朝鮮民主主義人民共和国であることをお断りしておきます。朝鮮分断は、日本の朝鮮侵略が原因であることを忘れてはいけません。
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