昭和っ子の本
『昭和っ子の朝焼け』の「昭和っ子」とは、昭和(20年代後半~)30年代の子供のことであり、この民俗学的な著述は、その時代に生きた子供達の生態をいきいきと書き取ったものである。筆者がその「あとがき」で記されているように、史誌や研究書など無数にあるのだが、「生活者本人が自らの実体験を広範かつ具体的に記した」ものは殆どない。自分史の作成がひと頃流行ったのであるが、ほぼ自慢話ばかりで民俗学的資料としては無意味なものが多い。そして、「わずか六、七十年前の近過去がどんどん分からなくなっている」(p317)のである。歴史から学ぶというが、現代人はほとんど歴史から学ぶことが不得手なのであり、学ばない。思考することなく、リア充から逃亡し、実体験から学ぶ健全な価値観を形成することなく、ネットでストレスを発散し、個人情報がダダ洩れにも関わらずにネット世界の餌食になっている青少年に対し、若い親たちも影響されて理不尽な大人たちが増えつつある。この辺の分析は少しくなされていないという意味で、いかに無駄な本が上梓されているのか知れない。この著作は、詳しく知られていないその時代を見事に描写されていて書店の店頭で発見してすぐに購入してしまった次第である。その時代に生きた子供たちの感情も明らかにしていて、待望の書だったのである。
暑い日中は避けて読書に勤しみ、夕方に草刈りをして、ミニ白菜を播種した一日であった。ミニ白菜は、娃々菜といい、例の信州山峡採取場の種で、道の駅信州新町で購入したものである。14粒入りで100円でしたので、試行栽培としては適宜でした。この道の駅は、新鮮野菜・山菜と西山地方の美味しい豆や蕎麦がおススメです。訪問した時は燕の子育て期にあたり、庇では、親が子への餌やりや見張りなど甲斐甲斐しい働きぶりで飛び交っていました。とても田舎らしいのんびりとした道の駅で、余分なものがなく、リラックスできます。蕎麦目当ての人も多いと思います。
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