忘れられた国会議員
若林健太(参院長野県区)が、参院決算委員会で、政府・与党の農協「改革」について、「農協が自由度を持って担い手育成などに取り組める制度改正」と主張し、「JA全中とタッグを組み、何としても農業を成長産業にしなければならない」と発言したそうである。また、全中の監査権限が廃止されることを踏まえ、「(監査を担った)農協監査士が新制度の中でも誇りを持って働ける環境整備が大事」と指摘したそうである(信毎2月11日号2面)。これを目にして無性に腹が立った。農業のことなどとんと分からぬ世襲のひよっこが、何が偉くてこんな厚顔無恥な発言をしているのだろうか。県下の農山村を渉猟して実見したことがあるのだろうか。高齢者ばかりの担い手、拡大する耕作放棄地、青少年がいない寒村などが見られるが、自民党の猫の目農政に翻弄されながら、地域の農協と農民は何とか生活を維持して頑張ってきたのも事実なのである。東京育ちにもかかわらず、選挙区を地方に選んだ世襲議員が、よくも言えたものである。ましてや、自身が公認会計士であり、後援会が日本公認会計士政治連盟から献金を受けている(Wikipedia)というではないか。農協改革案の一つに、「農協には公認会計士監査を義務付け」とあり、利害関係が大有りであり、利益誘導の立場にある人間は、このような発言を控えるのが当り前であり、控えるのが日本人本来の特質なのである。良心に恥じないのか。まったくもって怒りは収まらない。さらに、アベ訪米のための手土産として、TPP締結による対米農業市場開放に向けた、このような農業・農協改革は許すことはできない(これ参照)。自分がその手先として指嗾していることが分からないのか。次期参院選では落選してもらわなければならない。その改革で日本農業の再生ができるのか、是非とも伺いたいものである。自分の人生よりも、農業の歴史の方が圧倒的に長いということが分からないのだろうか。無論、農協のあり方が全く正しいとは思わないが、永年、貧窮の中から協同の精神でもって先人が築き上げた農協をかくも強奪して破壊していい筈はないだろう。永久に忘れられた国会議員(日本人)にしたいものである。
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