違憲の首相
表紙のイラストが、どんよりドヨドヨしている。青黒い暗雲が斜に棚引き出して、改憲の時代様相を暗示しているようにも見える。「オレ様」の安倍首相は、必ず憲法改悪を目指して猪突猛進するのである。日本国憲法を弊履の如く放擲しようとしているのである。そこで、寄る年波で鈍化した自分の頭をリフレッシュするために、開いた本がこれである。法学については、大学で尊属殺人事件の判例研究を受講しただけで、法学総体としては、中学の公民程度の知識しかないのであるが、念のために、通読してみたのである。なるほど、近現代の立憲主義に添った内容であった。権力者は、憲法に記されていないことをしてはならないということである(権力乱用の抑止のため。p7、239)。国会答弁において、立憲主義は、「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考え方だ」と披瀝して、歴史にも無知であることが暴露されたのだが(2月14日)、まあ、この方の発言は、嘘と放言とデタラメに充満しているから驚きもしないが、このような輩が権力を掌握したら、日本も沈没すること必定であろう。「動静」を見ると、毎日、碌でもないお友だちや「有識者」という取り巻きと懇談したり、何の法的根拠のない私的な諮問会議に出席しているだけでなく、ゴルフをしたり、毎晩のように宴会をして遊興している。それも税金を使って。警察権力に対して、「税金ドロボー」と悪罵を投げつけると、彼らは痛く傷つくのであるが、この方は馬耳東風であろう。憲法の明文化していること以外のことはしてはならないのであり(集団的自衛権の行使など企図してはならないのであり、できるわけがない)、国民(人民)主権のことなど範疇にないのである。内閣府の長が憲法改悪の音頭を取ってどうする。特別国家公務員なんだろう(99条違反)。このようにまともに考えれば、彼のやること為すことだけでなく、存在そのものが「日本国憲法」違反ではないか(違憲の選挙で選出されている。小選挙区制の選挙制度も違憲の疑いが濃い。自民党の支持も3割に満たない)。ドイツのメルケル首相も、共同記者会見において、文書を俯読する姿を見て呆れかえっていたのである。
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