抵抗か開発か
平日の休日。朝寝して、体調悪く通院途中で仰ぎ見た秋の空。陽気は良いようですが・・・。それから帰宅して口にカレーをかき込んで、しょぼしょぼと読書に耽り、夕方になると田畑の様子見に出向く平凡な一日を過ごす。政治の話題はすまい。どうもこのところ、不審な動向が見られる。ネットを使用すること自体が捕捉されているようなものだから、何食わぬ生活をするのがいいらしい。
ところで、肝心な『新・現代アフリカ入門』の感想を放置しているので、今回はこの本について記したい。前回の『経済大陸アフリカ』と併読すると現代アフリカについての理解が一層深まる。全く相反する立場からの新書同士だからである。本書の狙いは、「南北関係の中のアフリカの立ち位置を描写し、その課題、その展望を明らかにしてみること」(p.ⅴ)である。メインは、副題に「人々が変える大陸」とあり、終章の「(アフリカの)人々が変えるアフリカ」である。現実のアフリカは、「資源のアフリカ」でもあり、「消費財市場のアフリカ」でもある。その二つを媒介するのはPOBビジネスであると思う。グローバリゼーションの中で、どこまでも収奪されるアフリカであることは間違いない。主権回復のために、「考え、戦う市民を一人でも多く作っていくこと」(p246)という主張は、怒りを抑えた著者のぎりぎりの抵抗でもあるように思われたのである。ただ、学者が書いた本にしては、情緒的で記述が雑であることは否めない。尤も、平野氏のような脳天気な経済開発主義者よりはマシと思われるが、アマゾンの書評では後者は高評価である。人の痛みが分からない日本人が増えたということである。
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