北海道考 その2
次男であった祖父は、日本全国を渡り歩いていたが、「いつまで脛を齧っているんだ」という兄嫁の諫言があって、北海道を目指したのであった。時期は大正年間である。道東は、1907年(明治40年)の十勝線の開通後に開墾が急速に発展したが、それ以前は、依田勉三に見られる如く、大津からの十勝川沿いの囚人道路を使っての開拓だったのである。北海道は、東京を除けば、京都と沖縄と並ぶ三大観光地である。大自然とグルメの魅力は、「北海道物産展」を開催すれば必ず当たることに象徴されてもいる。北海道の開拓は、明治2年(1869年)の勅書に「皇威隆替」という字句に見られるように、天皇制国家の確立と軌を一にしている。北海道は日本の唯一の内国植民地であったのである(p1~2)。
帯広空港は黒川紀章の建築デザインだが、余り興味がない。コンパクトな空港ターミナルであるとは思う。ガチャガチャしていないところが良い。それ以前に感動したのは、着陸前の十勝平野の眺めであった。新緑の季節であり、広い桝目条の耕作地帯は美しく輝いていた。永遠と広がる沃野をただ漫然と見とれていた。
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