一票の格差問題?
大学の受験勉強していた頃は、齋藤茂吉の『万葉秀歌』や『齋藤茂吉歌集』(いずれも岩波版)を勉強の合間に暗誦していた。「あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり」という短歌に、国電や地下鉄線の中で、自らの境遇を省みたものである。貧乏でみすぼらしい田舎者がそういう感傷に耽っている姿は、周囲には異様に見えたことであろう。で、この新書であるが、期待に相反する内容である。はっきり言えば、劈頭と随所に取り上げられる与謝野晶子と北原白秋は、最も嫌いな歌人の内に入っている。ご都合主義の最たる歌人と思っている。歌人をはじめ、戦前の多くの文壇が戦争に一層加担をしたことを知っている人は寡少である。小・中で習った国語の教科書には、戦争を煽動した文人の詩歌が居並んでいたのである。今から考えても、よくこんな文人の詩歌や文章を教科書として教えていたものか、慨嘆すべきことである。しかしながら、これは当時ばかりでなく、今でも同じである。一票の格差問題など、くだらないことに新聞やテレビを占有していることにも顕現している。アベ政権を梃子にした新自由主義者の捲土重来に過ぎない。これを見てみよ。愚かな有象無象の連中のオンパレードである(全員ブラックな連中である)。これにまんまと左翼・自由主義者が術中に嵌っている。一票の格差問題とは、殺伐とした都市が豊穣の田舎を潰すことなのである。むしろ、都市にこそ原発を誘致し、都市を掃討しなければならないのである。
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