空しさの行方
稲藁を切る作業をする。土に戻すためである。うちの田んぼは、他の田んぼと異なって雑草が茂っているだけでなく、努めて循環を目指している。きれいではないが、土地から強奪せず植生に添った農業を志向しているからである。有機農業にも批判的である。可能な限り、無農薬と無肥料を心掛けているが、別に現代農業を否定している訳でもない。自分は本来の収穫物を食したいだけである。だから、採算無視である。健康食品やサプリメントがテレビ通販で大流行であるが、ほとんどまがい物である。むしろ、人間の健康を破壊するものと言って間違いない。
「糖質とタンパク質の同所性」は食物連鎖のなかで食材を生産しようとするシステム(=食を通じた自然との共生)であり(p72)、その地域にあった糖質とタンパク質のセットは、グローバル化によって根本から破壊されようとしている(p221)、というのがこの本から読み取れた私的な結論である。殊更、主旨を探るのがこの本の狙いではないようであるため、ユーラシア大陸の農業研究をそのまま紹介している。日本人がパン食、肉食を始めてそれ程長くはないが、これは「地産地消」に反している。身近で麦の栽培はなく、牛や豚や鶏を育成している現場を目にしている訳でもないにもかかわらず、それが口に入ることに何の疑問を感じることがないことが不思議である。永田町や霞ヶ関に巣くう輩が国民生活を破壊しているのと同じである。加えて、三重の憲法違反の解散総選挙ということである。国民も「景気を良くしてほしい」、「消費増税をやめてほしい」などと要求している始末である。いつまでも、かつての願望を抱き、反省もせずに現状を肯定しているだけなのである。なるほどな、どっちもどっちだなと思うだけである。
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