今ある歴史的結節点
消費税倍増、原発、TPP、オスプレイ配備など、国論二分の問題にも拘らず、野田政権はマニフェスト違反などお構いなしに、また信を問うことなく反動の道をひた走っている。さらに、右翼的政党勢力が参集しながら国民生活を破壊しようとしている。小沢新党もまた然りである。しかし、凄まじい報道管制下においても、各世論調査では反対が国民の半数以上であり、国会や首相官邸を取り巻く反原発勢力の結集は数十万にも及んで、怒りは澎湃と沸き起こっている。60年安保闘争以来のデモは更に拡大しつつある。まるで、この分蘖期の稲の成長を眺めるようである。人々の危機感と不安と怒りがどれ程大きいのかを示す指標である。再稼動開始にも拘らず、原発反対の渦が増大していることがそのことを証明している。選挙だけが民衆の意思を表現するものではないことを知らなければならない(むしろそれは制動となっている)。集会・デモや抵抗権などは憲法に保障されている権利である。権利を切り縮めてはならない。選挙などというものは、政局作りの方便に過ぎない。それこそ施政者の思う壺であり、今や怒りを発露させ、日本(社会)の汚泥を払拭し、改変させる絶好の機会となっていると素直に喜びたい。
『収奪の星』は、読み続けるには余りにも退屈な本である。前著を知る者にとっては、結論が透けて見える。おそらく、現実が矛盾に満ちていればいるほど、この人の著作は山のように積み重なるだろう。同じような結論を押し付けながら。仕方がないので、今は『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』に代替している。
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