年末雑感
今日一日はちょっと外出を。今年は、社会的には災害と原発事故、さらに政治的・経済的無化と人々の退行的心理の醸成という一年であった。個人的には十分満足いくものではなかった、と自省する年末である。歴史的転換点にあることは間違いないであろう。『ショック・ドクトリン』を漸く予約が回ってきて、図書館から借り受けて間欠的に読み進めているが、大凡想像できたことではあるが、しっかりと取材と文献とで丹念に裏打ちされている内容である。ために、分量が多く二分冊になっていて呻吟刻苦している。自由主義的市場経済は既に終っているという認識が世界的常識になっているようである。橋下も野田も、その思想を体現しているのであるが、政局とマスコミ報道はそれを中心に扇動に躍起となっている。東日本大震災では、東北地方はショック・ドクトリンの実験場になり、宮城県を中心に漁業権剥奪と土地強奪などが企図されている。フリードマンの亜流たちは、民営化と規制緩和と社会支出の大削減を三本柱にしているが、すでに1990年代には衰退し始め、二十一世紀になるとサブプライムローン問題を契機とした金融資本の破綻などという事態を受けて、いよいよ息の根を止められようとしている。しかしながら、未だに信奉者たちの蠢動は、すべてを投機対象にしながら公共資産と国税を食い荒らそうと目論んでいることは間違いない。日本では、野田や橋下の下にコイズミのブレーンが参集しているのであるが、これをさらに一掃させなければならない新年となるだろう。
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