人間中心主義の陥穽
基本的に東大系の学者(特に、東京都出身のそれ)は信用していないので、この著者のものも斜め読みすることになる。最後に、長○川眞理子氏の査読を経ているということを知って、「こりゃ~、だめだ」と失望する。仲間うちのあり方を想像させる。ハッキリ言えば、当り前なことを開示しているだけで、青少年向けの新書であることを差し引いても、突きつけられている根本的な難題を回避している。というよりも、それに気付いていない。ありきたりなことをサジェスチョンしているだけである。学んだことは、「ペティ=クラークの法則」や「アリー効果」などの学問的な専門用語だけである。こんなことで生物多様性が達成される訳でもないし、定年後は国連でも働いたらどうか、と余計な心配をしてしまう。読んでいると、フィールドワークの重要さも推察されない。グーグル・アースでも眺めているのだろう。現実に向き合うことによって初めて、ことの真相が理解できることは言うに及ばないだろう。地域の人たち自身がさとやまの価値を十分に理解することである、という示唆(p141)も空しく響くしかないのである。むしろ、逆である。
野良猫なのでいずれ目の前から忽然といなくなるだろうけれども、やはり可愛い。二匹でじゃれあう。餌を求めて寄って来る。人間というものは勝手なもので、処構わず糞尿をする、鳴き声がうるさい、ゴミを荒らされる、自動車などを傷つけられる等の理由で、市の保健所では室内飼いを促し、不妊・去勢手術を勧める。それはそれとして猫にとって幸せなことでもあるが、全ては人間中心に考えられている。そもそも、可愛いなどと愛でられること自体が、その日を生き切ろうと必死の猫には迷惑千万なことなのかも知れない。どこまで行っても、人間は自分勝手で貪欲なのである。二匹の猫は、あちこちケガをしたり、吐いたり、毛を部分的に失ったり、その日一日を過ごすことに悪戦苦闘しているのである。
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