ロスタイムな本
こりゃあ酷い。だからこちらの本にしました。前者の著者の経歴を見ると、グローバル経済における日本の農業の「革新」を提言しているのは一目瞭然。キャノンとミシガン大学ねえ。おまけに元農水省官僚ときたか。市場経済原理主義者ですな。統計数値をこねくり回し、ニセの屁理屈で煙に巻くという手合いです。著者は「今のままでは、日本の農業は、雇用の受け皿にも、高収益の産業にもならない。日本の食糧安全保障もおぼつかない」と言うが、ならなくてもいいし、その必要もないのである。大規模農業ビジネスで低価格の農産物を輸出すればいいとし、「食糧危機が生じたときには、平時には自由貿易の下で輸出していた米を国内に向けて飢えをしのげばよいのだ」(p173)と言及するに及んでは、笑止千万と言わなくてはならないだろう。呆れかえってものも言えない。現場も知らないし、何を勉強してきたのだ、としか言えない。農協や「農政トライアングル」に伍しているわけでもないし、むしろそれらには反対ではあるが、この人の立脚点にはそれ以上に反対である。蒙昧極まりない。末原氏の本を読んで、農業とは何か、を基本から問い直し、現場から学び直してみたらどうか。後者の本のついては、次回以降に取り上げてみることにする。
早朝から畑の草むしりをしました。昔の人は、草取りというよりはこの言葉を常用していました。暇さえあれば草むしりをする女達の姿が、あちこちに見られました。昨今では、(動力による)草刈りという言葉がこれに取って代わったようです。
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