オトコの介護
NHKの連続ドラマ・「ゲゲゲの女房」の人気は上々ということです。主人公を演じる松下奈緒さんも美人でもあるし・・・(笑)。水木しげるが紙芝居の絵師や貸本漫画家出身であることにいささか感動した。少々ひねた少年時代でしたので、ジャンプ漫画のようなスポコンや冒険漫画には全く興味がないし、ジャンプ全盛時代には漫画読者を卒業してしまったので、当時のおどろおどろしい気味のあった少年漫画が懐かしい。結構、戦争の余韻と混乱があったので戦記漫画もいろいろとあったなあ、と感慨。
今、日本には約100万人の男性介護者がいるという。この本は、このことのもっている意味を明らかにして、ネットワーク作りの必要を訴える内容のものである。嘗ては介護は嫁の仕事とされていた時代は様変わりし、介護者の三分の一は男性介護者の時代になっているのである。そう言えば、介護殺人・虐待の記事やニュースを見聞することが多くなってきている。加害者の約7割は男性介護者ということである。男性による「老老介護」、「子の介護」、「息子の介護」、「シングル(独身)介護」が急増しているのである。男性介護者の一番の問題なのは、失職による経済的基盤が揺らいで貧困の引き金になるということである(p27、107)。掃除や洗濯などの家事は努力次第で賄えるが、貧困化が殺人・虐待を誘引することは間違いないだろう。これに高齢化と未婚、孤立化が拍車をかけている(p106~)。同居家族がいる家庭では、基本的に、在宅介護サービスの利用制限があり、介護保険の適用外となっていることがネックとなっているのである。編著者は、家族支援者支援がこれからの介護保険の課題と訴えている。まことに尤もなことである。それから、男性介護者は、その特性を生かして、こうした介護・介護保険の改革の狼煙となる可能性があるのだとエールを送りたい。介護が女性だけの仕事だと思ったら大間違いだということでもある。
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