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2010年1月13日 (水)

We're in War

32287669_2  『ルポ資源大陸アフリカ』によれば、今のアフリカは「グローバル時代の新しい地域紛争の姿」(p235)を呈しているという。換言すれば、副題にあるように、「貧困と繁栄が暴力という架け橋によって結ばれ始めている」(p315)ということである。架け橋という言葉は、通常ポジティブな表現に使用されるが、この場合、ネガティブな用法である。貧困は、疑いもなくアフリカの謂いである。では、繁栄の正体とは一体何なのか。さて、上記の本は、治安の崩壊・液状化にあるアフリカの現状を報告する突撃取材であり、正しく生死を賭けた「アフリカ各地の暴力の現場」(p15)ルポである。2003年をメルクマールとして、アフリカは中国の参入もあって経済成長に転じている。本年は、奇しくも南アフリカでワールドカップサッカー大会が開催される。だがそれらは、製造業と農業とが停滞もしくは縮小化の中においてである。タイトルにあるように、グローバル世界経済の渦中において、アフリカは、言うまでもなく、ダイヤ・石油・金・銅やコバルト・タンタルなどのレアメタルの資源大陸である。これらの争奪をめぐる紛争と戦争と見てよいだろう。他方、これらの暴力の連鎖の真因をアフリカの中に探る人々もいる。ロバート・ゲストもその一人である。元々、アフリカ人はそのような現況を欲しているだろうか。白戸氏が随所で言及しているように、「格差」が問題なのである。では、格差は何によって招来されたのか。それが問題なのである。資源大陸であるアフリカは、そのことによって益々不幸になっている現実を変えなければ何も解決されない。著者の視座は、「暴力が結ぶ貧困と繁栄」である。しかし、暴力は現象である。暴力の背景を見て取らなければ理解したことにはならない。この本の中でも、そのことは「おわりに」の中で触れている。オバマ米大統領は、先月末、米機テロ未遂事件についての声明において、英語に疎いこの自分でさえも分かる英語で、"We're in war." とテロとの戦いを宣言していた。

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