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2009年10月 3日 (土)

『農協の大罪』

32185434  今度田圃を借りた老夫婦農家には、息子さんはいるが(娘さんは嫁に出た)妻子はいない。すでに還暦を迎えているのにも拘らず、である。これは一地方の一問題かというと、そうではない。全国には農業高校が350校ほどあるが、卒業生のほとんどは後継者にはならない。就業先としての農業に魅力と希望がないからである。この本は、農林省の元官僚が書いた本であるが、さすが官僚である。データを駆使した論旨明解さに舌を巻くほどである。「はじめに」と終章を読めば済む。要するに、日本の食糧安全保障のために、農政トライアングル(農協=自民党=農林省)を崩壊させるべし、という主張であり、日本の農業政策を誤らせる農協(と兼業農家)の大罪を詳らかにしているのである。農業人口はこんなに要らない、兼業農家と農協は農業改革には邪魔な存在であり、農地の集合・規模拡大をして、強い農業を志向すべし、ということである。まず、「生産額もパナソニック1社に及ばない農業」(p3)という言辞は何を意味するのかということである。それは同時に、規模拡大・会社化すれば、農業経営が成り立ち、利益を享受できて、グローバル経済に立ち向かえるかという問題意識を持ちたい。2004年、ユニクロは「計画生産できない」と早々とアグリビジネスから撤退した。キリンやトヨタも参入しているが、本業があるからであって、決して農を本業としている訳ではない。農業は商工業ほど単純ではなく、ハイリスクなのである。以下、続く(これも参照)。

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