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2009年9月14日 (月)

『しがみつかない生き方』

32285890  人生には陥穽が多く、それで人生を棒に振ってしまう人もいる。自分の才能を誇示したり、恋の袋小路に迷い込んだり、カネに執着したり、スピリチュアルや六星占術にハマったり、いろいろである。この本のテーマは「ふつうの幸せ」である。そのためのルールを提起している。著者の意図を知るためには、序章と最終章の〈勝間和代〉を目指さないとを読むと分かりやすい。競争社会の成功者たちが、いかに世情を乱していることか。彼らに惑わされないようにしたい。むしろ、ふつうに生きて、ふつうに死ぬことがいかに難しいことか、を人々は知らない(p203)。ふつうに生きる人の人生の多様性をもっと称揚するべきである。時代の転換期にあり、よく売れているのには理由があるのである。しかしながら、この本には画龍点睛が欠けている。生き方のルールが、ないない尽くしである点である。仕事に限らず、「好きなこと、やりたいことをやってみるべし」というルールである。孤独や絶望には「耐える力」が必要であるが(p194)、これだけでは人生に潤いがない。もっと積極的に謳歌するべきである。第二に指摘しておかなければならないのは、池田晶子氏の『14歳からの哲学』を善意に解釈していることである(p122)。これはイタダケナイ(これについては別に述べ立てることもあるだろう)。いずれにしても、この香山氏の本を読んでみて、女性からの視点もあって、学ぶことが多かったことである。

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