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2009年9月 1日 (火)

満蒙開拓青少年義勇軍

30773198  今、信濃史学会誌・『信濃』の巻頭論文である「信濃教育会による満蒙開拓青少年義勇軍送出背景の検証」を読了した(長野県は全国有数の郷土史家が存在する。博物館や図書館数はトップランキングされる)。著者は、金沢大学の教員である小林信介という人である。この論文は、『満蒙開拓青少年義勇軍と信濃教育会』という本(大月本と呼ぼう)を、信濃教育会を巡る社会的背景への論及がないものとして批判的に論述するものである。但し、1933年の教員赤化事件として著名な「二・四事件」が送出事業の契機になったという点では、両者とも同じ立場に立脚するのではないか。異なるのは、執筆目的であろう。大月本のそれは、信濃教育会の戦争責任追及(それはまた、教師としての自己批判でもある)であり、小林氏の場合は、史家としての関心である。ただ、「二・四事件」は、あくまでも送出事業の促進要因であり、主因は、設立当初からの信濃教育会の「海外発展」思想である、と思う。また、こう考えなければ、依然としてその戦争責任は曖昧模糊になるだろう(これも参照)。第二論文「長野県諏訪郡永明尋常高等小学校長『小平茂日記』にみる「二・四事件」」も併読したい。これも参照。

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