« 信州人考 | トップページ | 発達障害 »

2009年6月16日 (火)

さわやか信州

20090608085624  もう一度、『海から見た信州』に言及してみよう。あれこれと信州についての感想を披瀝しているが、筆者の根底にあるのは、故郷・福江島(長崎県五島列島)への望郷の念である。最終章が「信州から見た島」になっているからである。「離島とは海に浮かぶ山村である」と定義した人がいると言うが、信州とは、ある意味で「離島」とも言えるだろう。長野県には山村が多くあるが(全国一の村数と限界集落数)、五島を囲む海のように、山によって隔絶されている点では相似しているのである。ただ、田橋氏が指摘しているように、信州の道は、古来、峠によって都会に開かれている。鉄道網は、国策のためにいち早く張り巡らされ、冬季オリンピックで開通した長野新幹線は、東京と1時間20分ほどで繋がっている。日帰り通勤さえできるのである。高速道路網も発達して、中京や関西からも時間的に至近距離になっている。北陸新幹線が開通すれば、首都圏からの観光客が素通りしていまうのではないかという危惧の声も聞かれる。信州での現実と課題が島の未来を展望するものとして期待されているのである。そのことを自覚している信州人は、まだまだ少ないと言わなければならないだろう。第二に、信州人にとっては当り前なことではあるが(無自覚)、他府県の人間にとっては羨望される事柄がある。信州の自然環境である。その内陸性気候は、年間降水量の少なさと年較差・日較差であり、冬は寒く、それ以外はカラッと体感する(p11、185)。古いキャッチフレーズでは、「さわやか信州」である(p152、184)。それらは、信州の自然の美しさを演出しているが、問題点をも導いていると熟知するべきだろう。

|

« 信州人考 | トップページ | 発達障害 »

信州学事始」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/527456/30131776

この記事へのトラックバック一覧です: さわやか信州:

« 信州人考 | トップページ | 発達障害 »