変な話
「介護は効率が悪いほどうまくいく」(p182)という項目が、この本の中では印象に残りました。機械的な流れ作業のように、慌しいケアをしている介護施設(士)が多いということは知っておいてよい。排泄ケアをしながら「臭いなあ」と難詰したり、食べ零しで「何してるの」と非難したり、声かけが多いのだが利用者の表情や受け答えを待っていない、問題老人は差し置いておくことなど、列挙したらキリがない。笑顔がなくてもよい、寡黙であってもよい、敢えて言えば、人間が好きでなくともよい。いろいろなタイプの(マージナルな)介護者が多い施設が一つの目安である。仕切っている施設ほどいい施設ではないことは確かである。
散歩の中途、麦畑を通り過ぎました。息子との同伴なので、ゆっくりと観察ができない(子どもが散歩に付いて来ること自体が変な話である)。40年程前には当り前の風景である。「麦踏み」や「麦秋」という言葉は既に死語に化している。50年程前の当地では、油・砂糖・塩・酒・菓子など以外は自給自足であった。作りすぎた食べ物は隣近所にお裾分けしていた。助け合っていたのである。それが今では、幹線道路は車の往来が一頻りで、人は車の中に入って移動している。農業の衰退と採算が取れないので、二毛作で忙しかった頃は記憶の彼方に消失してしまった。自分の力で穀物栽培を始めてみたいと、ふと思い付いた。
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