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2008年4月 3日 (木)

介護の現実

31403005  サブタイトルに、「新しい介護のはじまり」とある。著者はリハビリテーション医療・介護の第一人者ということである。氏のことは、これを読んだことがあるので、多少知っていた。革命の内容は、その分野についてあまりよく理解できていないので、加えて法的錯綜と現場の迷走もあり、これと言って断言できないのだが、少なくとも二つのことを明示していると思う。一つは、老人や障がい者に対する考え方の転換である。著者は「かばい手」の発想と命名している。強者は弱者の為に存在しているのだ、という確信を明らかにしている。強者とていづれ弱者になるからである。第二に、介護・健康長寿の目標は、寝たきり防止であると指摘していることである。日本では、100人に1人は寝たきりであるという。座位保持と移乗は、寝たきり防止の生命線であるが、医療・介護の現場では、絶対安静によって廃用症候群を来しているという現実に対する批判としてこの本はある。介護士の少なさは、何も給料面で冷遇されていることだけではない。介護の現場では医療が優位に立っていて、チームケアと謳われながら、療養士や介護士は補佐と従属の関係にある。しかし、だからと言って医療従事者が介護のプロとして教育されている訳でもなく、相変わらず医療の立場からしか利用者を見ていないことが多々ある。あくまでも患者としてしか見えないのである。そういう問題も解決されなければならない課題ということは、あまりにも知られていない。もっと言えば、利用者に寄り添う介護とは、患者としてしか見えない医療よりも困難と課題と喜びがあると言えるのかも知れない。ちなみに日本は、1994年に人類史上初めての超高齢化社会に突入しているのである。そして、このお寒い現実である。これこれも参照されたい。

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